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不安な心を癒すもの~人のやさしさと思いやり~
新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言が発令されたことで、様々なことが制限され、私たちの生活は大きく変化しました。
私たち人類にとって未曽有の事態となったことで、「日常」というものは脆くも崩れ去り、「非日常」という未知の世界の中で生活しています。
このような状況の中では、多くの人がメンタル不調を来たすことになるため、「コロナうつ」「コロナ疲れ」「コロナストレス」といった言葉がメディアを賑わすようになりました。
メンタル不調を来たすのは、他の人より弱いからでもなければ、劣っているからでもありません。
未経験の状況に置かれれば、誰でも不安や恐怖を感じるのは当然のことであり、その状況が長く続けば、心を病んでしまうのは自然の流れと言うことができるでしょう。
こうしたことは、実は私たちカウンセラーも決して例外ではありません。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、いつ、自分が感染するかもわからない状況に置かれているということは、今やすべての人に言えることだからです。
みなさんと同じように、私たちカウンセラーも、立場や職業が異なるだけで、同じ人間なのです。
私たちは日頃、北海道札幌市でカウンセリングを行なっているわけですが、そのカウンセリングをするのも、カウンセリングを受けるのも、生身の人間であることに変わりはないのです。
したがって、この不穏な空気が蔓延する世界の中で生きる、同じ一人の人間として、誰もが抱く不安や恐怖を感じながら生きているのです。
不安や恐怖を感じながら生活している時に、その気持ちを癒すものは、やはり、人のやさしさなのだと、改めて実感する出来事がありました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、マスクの需要が急拡大し、入手が困難な状況が続いているのはご承知のとおりです。
かく言う私も、新たにマスクを購入することが難しく、残り少なくなっていく手持ちのマスクを見るたび、不安な気持ちを募らせていました。
ところが、先日、ある女性が手作りの布製マスクをプレゼントしてくださったのです。
手縫いで丁寧に作られたその布製マスクは、デザインはもちろん、着け心地も非常によく、とても気に入りました。
さらに、小さな紙に「洗い方」を記したものも添えられていました。
これで、当分の間はマスクの心配から解放され、安堵したのでした。
現代社会は人間関係が希薄になり、殺伐とした世の中になりました。
そのうえ、新型コロナウイルスの感染拡大も相まって、なおさら心が不安定になりやすい状況にあって、こうした人のやさしさに触れることができたのは、これほどうれしいことはありません。
手作りの布製マスクをプレゼントしてくれた女性には、心から感謝しています。
本当に、ありがとうございました。そして、くれぐれもご自愛いただきたいものです。
みなさんも、ウイルス感染に気をつけるのはもちろん、人へのやさしさ、思いやりを忘れず、支え合って、この難局をともに乗り切っていければと思います。